遺伝の可能性が高い精神疾患

精神疾患の中でも二大精神病と呼ばれている統合失調症と双極性障害は、遺伝が影響する遺伝性疾患であるケースが多いようです。
特に双極性障害は環境よりも遺伝によって発症することが多く、遺伝と環境では8対2の割合であるとの研究論文も発表されています。
しかし統合失調症や双極性障害よりも患者数の多いうつ病では、遺伝が関係するかどうかはまだはっきりとはわかっていません。
しかし、ストレスなどによる環境要因が強いとの統計もあり、素因として遺伝が関係していても、トリガーが重要な要因であるといわれています。
そもそも精神疾患は、脳内物質の過不足による異常で発病する脳の機能障害です。
脳は遺伝の影響を大きく受ける部分である以上、脳内物質の分泌も遺伝によってバランスが似てくる可能性は高く、特定の精神疾患になりやすいことを否定できません。

その他の精神疾患でも遺伝が大きな要因になると言われている疾患に、強迫性障害があります。
強迫性障害の原因はいまだ研究が進んでおらず、原因はまだわかっていません。
しかし遺伝の研究によると、この病気である患者の近親者に同じく強迫性障害を患っていたり、不安障害の患者が多いとの結果が出ています。
これには厳しい家庭で育ったなどの環境要因も含まれているので、すべての患者が遺伝による発病とは言い切れません。
パーソナリティ障害にも遺伝の影響が大きいと言われる型があり、中でも統合失調症型パーソナリティ障害は近親者にも多いとされています。